私は旅行・観光専門学校1年生の時、国際旅行社で約1ヶ月間インターンシップを経験しました。その時の印象が、当社に就職を決めた最大の理由です。

同級生たちの話を聞くと、インターンシップ先ではメインの業務に触れさせてもらえる機会がなかったケースが多かったのですが、私の場合は違いました。パソコン業務など仕事をゼロから教わり、現場の仕事をたくさん体験させてもらったのです。仕事を覚えるのは大変でしたが、会社の戦力の一員として扱ってもらえた。厳しいけれど親身に指導していただき、わからないことは何でも相談でき、一緒に考えてもらえた。そのことが嬉しくて、コミュニケーションがよく取れている職場の雰囲気も気に入ったのです。2年生の時、研修生という名目で当社にアルバイトで働き始め、卒業後に正社員として入社しました。

入社後は、法人営業部や企画事業部、宜野湾営業所など、さまざまな部署の仕事を経験させていただきました。2019年に営業部へ配属となり主任を務め、2022年から係長を務めています。

営業部では、民間企業や行政機関、学校、福祉法人や病院などのお客様を対象に、社員旅行や視察・研修旅行、修学旅行などの団体旅行を主に扱っています。専門用語では「受注型企画旅行」といい、お客様からの依頼を受けて、お客様のご要望や目的に合った旅行計画を企画・提案し、実施する旅行のことです。

私自身の業務としては、アウトセールス（客先に出向いて行う営業活動）、旅行のプランニング、添乗業務があります。この仕事の難しさは、お客様のご要望を現実の旅行プランとして、いかに具現化していくか、ということ。社員旅行などでは「楽しい旅行にしたいな」といった感じで、お客様が漠然としたイメージしか持っていないことも少なくありません。お客様に丁寧にヒアリングを行い、想像力を働かせながらじっくりプランを練り、限られた時間内に複数のプランを提案するのは、なかなか大変です。また、団体様をお連れする旅行ですから、安全に無事に旅を終えるまでは責任感とプレッシャーもあります。

けれども、お客様のご要望にマッチした旅行を実現できた時、お客様から感謝や喜びの声をいただけると、大きなやりがいと達成感が得られます。仕事のやりがいや面白さは、難しいことや大変なことをクリアできてこそ得られるものだと感じています。

添乗業務は、お客様の先頭に立ち、旗を持って参加者の皆様を先導する仕事です。大勢の前で話す機会が多く、子どもから高齢者まで、年齢層も職種や業種もさまざまな方と旅行で一緒に行動します。この経験が、自分自身の成長にもつながっていると思います。

私はもともと人と話すことが好きでしたが、添乗業務を通じて、相手に合わせた言葉遣いや話し方、声の大きさなどに気を配るようになり、人前で自信を持って話せるようになりました。また、多種多様な職業や業種の方々と接する中で、自分の興味や関心の幅が広がり、人脈も広がりました。旅行や観光について詳しくなるのはもちろんですが、さまざまなジャンルに関する知識が蓄えられ、見聞が広がることが、この仕事の大きな魅力だと思います。

係長という私の役職は、上司と部下の間に入ってチーム全体をまとめる役目が求められます。これまで12年間働いてきた自分の経験を部下たちに伝えるとともに、社内でもリーダーとなって若手社員を引っ張っていけるような存在になることが、今後の目標です。

部下と接する時に心がけているのは、上から目線で命令するのではなく、話しやすい雰囲気をつくり、心を許していろいろなことを相談できるような関係性をつくること。日々の仕事を通じて自分自身も学びや経験を深めながら、部下たちと一緒に成長していきたいと考えています。

旅行には「これが完璧」というゴールはありません。旅行に求めることはお客様によって違いますし、日程や予算が限られた中で、答えのない「ベストな旅」をプランニングする難しさはあります。でも、だからこそ奥が深くて面白い。常に新しいことも取り入れながら、お客様にとって「よりよい旅」を追求していきたいですね。